
連載企画/MADE IN JAPAN「デイパックができるまで〜生機編〜」
スタンダードサプライの定番、64クロス(ロクヨンクロス)を使用した “SIMPLICITY” (シンプリシティ) シリーズ。
生地の製造から、縫製、仕上げに至るまでを国内で行う、生粋のメイドインジャパンです。
シリーズの魅力を深掘りすべく、実際に一つのデイパックができるまでを追いかけたいと思います。
第一回:生機(キバタ)編
今回はその企画の第一弾として、なかなか見ることのできない生機(キバタ)工場にお邪魔してきました。
生機(キバタ)とは?
生機(キバタ)とは、染色や加工をする前の布生地のこと。
「糸」から「生地」になっていく初期のステップです。
どのように生地が織られているのか、実際に動画も交えながらご紹介していきます。
64クロス(ロクヨンクロス)とは?
“SIMPLICITY” (シンプリシティ) シリーズに使われる64クロス(ロクヨンクロス)は、
よこ糸にコットン、たて糸にナイロンを使い、それらを交差させて生地を織っていきます。
この比率が60%(コットン):40%(ナイロン)のため、64クロス(ロクヨンクロス)と呼ばれています。
コットンとナイロンの糸を組み合わせることで、
見た目の面では、特有の光沢感や風合いが出て、
機能面では、撥水性や透湿性、強度をあわせ持つ生地に仕上がります。
織機について
64クロス(ロクヨンクロス)は「レピア織機」と呼ばれる織機を使って織られています。
早速実際に稼働している動画をご覧ください。
レピア織機を簡単な図にしてみました。
織機が稼働すると、カシャン、カシャンという音に合わせて、
①綜絖(そうこう)が、たて糸のナイロンを上下に分ける。
②上下に分かれたたて糸のナイロンの間に、よこ糸のコットンを通す。
③筬(おさ)で打ち込んで、たて糸とよこ糸の隙間をなくす。
この繰り返しで生地が織られていきます。
張り巡らされた、半透明なナイロンのたて糸に、
よこ糸のコットンが通っていくことで少しずつ生地が出来上がってきます。
余談ですが、、、
織機を稼働させる前準備として、図にある綜絖(そうこう)や筬(おさ)に、たて糸を通す作業があります。
今回の64クロス(ロクヨンクロス)の場合は、6000本以上の糸を手作業で通していきます。
途方もない作業のように思えますが、熟練の職人さんはこれを数時間でこなすとのこと。すごいですよね、、。
こうして織りあがった、スタンダードサプライオリジナルの生機(キバタ)がこちら。
バッグとして形になった時に綺麗な見え方になる「ハリ感」や「コシ感」。
目指すところに近づけるために何度も試作を繰り返し、ついにスタンダードサプライとして自信を持てるオリジナルの生機(キバタ)が仕上がりました。
次回は、この生機(キバタ)を染める工程「染色編」をお届けできればと思います。
ぜひお楽しみに!
*生産ロットやカラーによって、ご紹介したオリジナルの64クロス(ロクヨンクロス)が使われていない場合もございます。予めご了承ください。