2026.05.8
品川の原美術館
マエダ
ヴィム・ヴェンダースが自分にとって特別な木のことを「友達の木」と言っていました。
心の拠り所になるような木のことをそう名付けたみたいです。
友達の木はまだ見つけられていないですが、自分には心の拠り所となる美術館があります。
その美術館は惜しまれながらも2021年に閉館した「原美術館」です。
今はマンションが建ってしまっていますが、それは品川の閑静な住宅街の中にありました。
同美術館は第二次大戦最中に竣工し、戦後は邸宅から美術館にかたちを変えて日本を代表する現代芸術専門の美術館として、常設、企画問わずアバンギャルドな展示を行い、多くの人に愛されてきました。
もともとは邸宅だったこともあり、バスルームやサロンなどを活用した展示が印象的でした。
建築設計は銀座和光ビルなどを手掛けたジャパニーズモダンを代表する建築家の渡辺 仁。
曲線を効果的に用いた空間が特徴の建築で、戦後は美術館として親しまれましたが、戦時中は日本軍の軍関連施設としても使用されるなど、さまざまな時代を見てきた建築です。
建築デザインをやっていた関係で学生時代は足繁く通っており、特に陽の光が低く建物が生き生きするので秋冬はよく行っていました。中でも、常設で展示されていた香港のアーティスト リー・キットのインスタレーションが好きで、展示室の中で何分も作品を眺めていました。
閉館前最後の展示「光ー呼吸 時をすくう5人」は寂しさもあり何度も足を運びました。
残念ながら撮影禁止だったため、写真はないのですが、より多くの人に原美術館のことを知ってもらえればと思い、ブログにまとめました。
ちなみに、当時の作品含め、全ての作品は現在群馬県渋川市の原美術館 ARCに収蔵されており、一部は展示で見ることができます。

△ 原美術館 ARC

△ 奈良 美智のアトリエ
リー・キットの常設展示はなく、品川の原美術館に流れていたような静謐な空気は感じられませんが、高原の自然と磯崎 新の建築を体感しに行くにはいいかもしれません。
再構築されていますが、奈良 美智のアトリエも再現されています。